ポートフォリオの郵送や持ち込みは効果があるの?

ポートフォリオ

イラストレーターやデザイナーが、仕事を継続的に受注し続けることはとても大変です。

仕事が安定して回るようになるまでは、自ら仕事を取るべく精力的に活動する必要があるでしょう。

その中で一般的に取られることが多い行動が「ポートフォリオの送付」「持ち込み」ですが、自らの作品集をまとめたポートフォリオの送付は、どの程度効果があるのでしょうか?

出版関係者や編集者、デザイン会社のアートディレクターさんが、どのようにして仕事を依頼するアーティストを選んでいるのか、口コミや実体験をもとにいくつかの例をご紹介いたします。

ポートフォリオの郵送は仕事につながる?

ポスト

ポートフォリオの送付の効果については、イラストのテイストやジャンル、使用媒体などによって変わってきますし、作品そのもののクオリティが最低限のラインを超えているかどうかという事が大前提になるので、ポートフォリオ送付がどの程度仕事につながるかどうかというのは一概に言えないかもしれません。

しかし、送付されたポートフォリオがどのようにして社内で閲覧されるのかなど、送付先のポートフォリオに対する扱われ方などについて知ることで、工夫や配慮をすることができます。

1.ポートフォリオの持ち込みは歓迎されないことが多い

まず、ポートフォリオを目当ての会社に送る場合、郵送自ら持ち込む方法と2種類あります。

その際、両者に仕事につながる確率に差はさほどありませんが、自ら持ち込む場合は先方に迷惑になってしまう可能性もあります。

  • 出入りが多いのでアポなしだと担当者が不在の事も多い
  • とても忙しくて対応する時間がない
  • 時間を取られるのを嫌う編集者が多い
  • そもそも持ち込みはお断りしているところも多い

など、郵送に比べてハードルが高く、せっかく足を運んでも無駄足になってしまう事も少なくありません。

また、「先に郵送などで送付してもらって、気になったらこちらから会う連絡をする」という編集者さんもいらっしゃいましたので、持ち込みが必ずしもダメなわけではありませんが、同じポートフォリオを相手先に届けるのであれば郵送の方が無難でしょう。

2.郵送したポートフォリオはどのように扱われるのか

あなたが送付したポートフォリオは、一般的には社内で回覧されたり、場合によっては回覧資料の会議などで見てもらえる機会がある場合もあります。

しかし、回覧のみで終わってしまい、ちょっと見て資料棚に置かれるという事も少なくないようです。ポートフォリオを送付するのは、あなただけではなく日本中にいるイラストレーター志望の人が送るので、郵送で印象に残るにはなかなかハードルが高いと言えるでしょう。

仕事の依頼は同業者からの紹介などのツテが多い

仕事がやってくるまでの経緯

クリエイターへの仕事依頼の約7割「紹介」など知っている人からの推薦です。

  • 同じ部署の人が依然一緒に仕事した人
  • 過去に依頼したイラストレーターさんからの紹介
  • 印刷会社さんの紹介
  • 他社と仕事をしているのを見かけて紹介してもらった

など、ツテやコネクションが仕事の受注の大部分を占めていると言っても過言ではありません。

イラストやデザインの仕事は数あれど、同じクリエイターさんのもとで仕事がぐるぐる回り、それまでに仕事の実績がない人は新規で依頼をもらうのが難しいのが現状です。

その現状を打破するために、以前「アマチュアクリエイターは検索経由で仕事を得ることを目指そう!」の記事で、WEBの検索経由での仕事依頼を狙う方法をご紹介しましたが、「ツテを作るまで」がとても難しいのです。


私も仕事が入ってくるようになったのは、自分の事を外部でバンバン紹介してくれる人に出会ったからなんですよね

素晴らしい作品を作る能力があっても、多かれ少なかれコネクションなどの横のつながりが強い世界であるのは紛れもない事実なのですよね。

仕事の依頼の多くが「紹介」という横のつながりで回る理由

ミーティング

新規の依頼がなかなか得にくい理由として、横のつながりで過去に仕事をした経験のあるイラストレーターさんが選ばれたり、同じ部署内の同僚からの紹介だったりが選ばれることが多いのは、まぎれもなく「安心だから」です。

出版関係などの場合は、特に締め切りが短い仕事も多く、

  • 納期が守れるかどうか
  • 絵のクオリティは大丈夫か
  • 途中でバックレたりしないか
  • レスポンスは早いか

など、不確定要素が多い新規のクリエイターさんを採用するデメリットの方が大きいという理由があります。

また、締め切りに余裕がある業界でも、やはり「責任を持って仕事ができるかどうか」という「クリエイターさんの人となりがポートフォリオからだけではわからない」というのもポイントでしょう。

私が一緒に仕事をすることが多いデザイン会社勤務の営業の方も、私に仕事を繰り返し依頼してくれる大きな理由の一つが「納期を守ること」「返答が早い事」そして「どんなに締め切りが近くてもNOと言わず頑張ってくれる所」と言って下さっていました。

依頼する側も、「新規のクリエイターさんをポートフォリオなどの作品集でのみ判断して仕事を振るのはリスクもある」という認識の為、たとえ素晴らしい作品を作っていても、条件に合う仕事が無ければそのままスルーされてしまう事もあるかもしれません。

紹介してくれる人と出会うためにできること

コーヒーミーティング

仕事の依頼が、紹介などの横のつながりで回るのだとしたら、その横のつながりはどのように作ればいいのでしょうか?

これは私のケースですが、私の場合は「コンペでの受賞」がきっかけでした。

ただし、コンペの受賞で仕事が舞い込んだのではありません。

コンペ受賞をきっかけに、コンペを開催していた会社さんの担当者さんと連絡を取り合うようになり、そのやり取りの中で次の仕事の依頼をいただき、その後もことあるごとに連絡をして、最後には一緒に飲みに行く仲になりました。

このきっかけについては、こちらの「コンテスト受賞者インタビュー by 「登竜門」」の記事内で、インタビュー記事へのリンクと共にご紹介しています。

そうやって、私の人となりを知ってもらってからは、その方は会社のお得意先の飲み会や商談の場でも私の名前を出して下さるようになり、その他方の紹介経由でお仕事をいただく機会が増えていきました。

私の場合はコンペがきっかけでしたが、他にも「展示会への出展」「イベントへの参加」「アーティスト交流会」など、横のつながりを持つ方との出会いは様々な場所に転がっています。

ポートフォリオの送付にとどまらず、自らを知ってもらう方法は実は沢山あるのです。

WEBサイト作成を推奨するのは「あなたの人となりが分かるから」

ホームページ

ポートフォリオの送付では人となりが分かりにくいのと同様に、作品画像がメインのポートフォリオサイトも同様に人となりが伝わりにくいのが欠点です。

私がこのサイトで「アーティスト(クリエイター)はブログを書けるオウンドメディアを持つべき」と推奨しているのには、あなたの人となりが記事を通して伝わりやすいというメリットがあるというのも一つの理由です。

もちろん、時間の無い編集者さんがあなたのブログ記事を一から読んでくれるという訳ではありませんが、サイトの構成によっては短時間であなたの長所や信頼性をアピールすることは可能です。

まとめ

ポートフォリオの郵送や持ち込みが仕事につながるかどうかという話から、横のつながりの作り方まで話が広がってしまいました。

ポートフォリオの郵送に関しては「やらないよりはやった方がいい」と言えますが、仕事に直接つながる可能性はさほど高くないようです。

ポイントは「このクリエイターさんなら仕事を依頼しても大丈夫そう」と思ってもらえるような効果的なアプローチ方法を確立することでしょう。

こちらの「クリエイターがオウンドメディア持つべき10の理由」では、クリエイターがポートフォリオサイトではなく、オウンドメディアを持つべき理由について紹介しています。

是非あわせてお読みください。

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