ゼンタングルと著作権・商標について思うこと

僕のこのブログに来てくださる方の多くが、ゼンタングル(Zentangle)やドローイング(Drawing)などのいわゆる「線画」の描き方やデザインを求めてきてくださっているようで、昨今の「気軽にできるアート」の盛り上がりがとても実感できています。

一方で、「ゼンタングルを描きましたー」と言って上がっているツイッターやInstagramの投稿を見ると、「これ俺の絵そのまんまじゃん・・・」ってことがすごーく沢山あります。

ゼンタングルは誰でも気軽に描ける事、そして正解がない手法であるために様々な絵を幅広く「ゼンタングル」とくくることが可能であることが大きな特徴だと思います。

Yahooの画像検索で「ゼンタングル」と検索して、一番上に出てくるこのブログのTOP画像にもあげた「花の絵」(2015/2/22現在)は僕の絵ですが、どなたが(※借り物です)と書いてご自身のブログに貼っていたり、ゼンタングルの検索で一番最初に上がってくるNaverまとめ「新感覚パターンアート【ゼンタングル】でストレス軽減」の記事内に出てくる、とある方の画像も僕がYouTubeで公開している動画(↓)と全く同じでした。(その方のアカウントはもう無いようですが・・・)

自分はFacebookやInstagram、Tumblrなど、ここのHPのブログ以外は英語で更新していることが多いので、同様のコピー現象は、日本のみならず世界中(主にゼンタングル発祥の地のアメリカ)で見かけます。
法律のことは全然詳しくないですが、真似することと盗むこととコピーすることについて自分も絵描きとして良く考えるトピックですので、ちょっと書いてみようと思います。

ゼンタングルと著作権

まず、著作権ですがどのようなときに発生するのかというと、

著作権は、他の知的財産権とはちょっと違った性質を持っています。
それは「著作物を製作した時点で著作権が発生する」と言う事です。
– ネコにもわかる知的財産権 –

とのことで、作品制作をした段階でその作品には著作権が発生します。
でも、著作権というのは著作権を侵害されたと訴えを出さないと認められないものなので、著作権を侵害されたなーと思ったら申告することで、損害賠償請求が可能になります。

ゼンタングルに関してですが、制作過程やパターン(模様)などに関しての手法は、参考書などで紹介されているものを真似して描くことはOKなのですが、「絵全体の構図」「作品自体」をそのまま真似(コピー)することは、著作権という観点から考えると非常に微妙なラインであると思います。

自分の場合は、自分が良く描く花柄のボタニカルドローイングで描いた花の形が、他の方が描いたゼンタングルの中に数か所見つけた場合、「あ、この 人僕の絵を見てくれて参考に描いてくれたのかな?」と思うだけですが、もしすべての構図が一緒の場合はすごく嫌な気持ちになります。

まず、「構図自体真似して楽しいのだろうか?」と思います。
ゼンタングルは失敗も正解もないからこそ、楽しく誰でも出来るアートなので、色々な人の作風の影響を受けて、自分なりの絵を描けばいいのだと思いますが、すべて真似するのはあくまで個人の練習の範囲にとどめておく方がいいのではないかなと思います。

ゼンタングルのパターン(模様や描き方)を真似することと、絵そのもの自体をコピーすることとの違いをはき違えると、その絵の著作者に迷惑をかけてしまうことがあるかも知れないので要注意です。

ゼンタングルは商標登録されている

以前もブログに書きましたが、「ゼンタングル(Zentangle)」とは商標です。
なので、ゼンタングルという名前を使って商品を販売することが出来ません。

自分は絵を仕事にしていますが、ゼンタングルは趣味として、また自分の毎日の線画のトレーニングの一環として描いていますが、それを商品にしたりお仕事にしたりはしていません。
しかし、自分が商品にしているトライバルパターンやボタニカルパターンの絵を「ゼンタングルだそうです」と他の方にシェアしてしまうと、ちょっと困ったことになります。

商標の問題から自分の中では明確な線引きがあるのですが、多分趣味として描かれている方、お仕事にしていない方からすると特に問題とならないところなのでしょう。

以前、Pinterest(お気に入りの写真や画像をPinすることで自分のスクラップブックのようなものが作れるサービス)で、僕の絵を海外の方が「ゼンタングル」と名前を付けた自身のボードにPinしたことがきっかけで、そこのボードで「これって商標じゃないの?」ってちょっと議論になってたことがありました。(別に訴えられてはいませんが) 自分はその絵に関しては「ゼンタングル」ではなく「ドローイング」としていただけに、他の方によって商標権が侵害されたようになってしまったわけです。
今では、簡単に色々な画像をシェアすることが可能になっていますが、この辺も微妙なラインだなと最近感じています。

「コピーする」ことと「盗む」ことの違い

ここまで、著作権や商標のことを書いてきましたが、僕自身「他の人のマネをすること」は大賛成です。

以前のブログ(知っておきたい世界の絵描き・アーティスト)の記事でも紹介いたしましたが、自分も沢山のアーティストさんの絵を参考に、時にはその技術や色使い、表現方法を真似しながら自分の作品に取り入れています。

でもそれは、「コピー」するという事ではなく、技術などを「盗んで」自分の絵に取り入れているという意味です。

多くのアーティスト・偉人もまたコピーすることへの勧めを説いています。

◆「何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない(サルバドール・ダリ)」

◆「僕がじっくり鑑賞するのは、盗めるところがある作品だけだね(デヴィッド・ボウイ)」

◆「私たちから取ってほしい。まずは盗んでみてほしいんだ。なぜなら、結局は盗みきれないからだ。盗めるのは、私たちが与えたものだけだ。君はそれを自分の スタイルに取り入れ、自分のスタイルを見つけていく。誰だって最初はそうだ。そしていつか、誰かが君から盗む日が来る(フランシス・フォード・コッポ ラ)」

◆「僕の動きはどれも一流選手から盗んだものばかりさ。僕は報いたいんだ——動きを教えてくれた先人たちにね。すべては試合ためさ。試合は僕自身よりずっと大事なんだ(コービー・ブライアント)」

◆「何かを”オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ(ジョナサン・レセム)」

◆「バディ・ホリー、リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイス、エルヴィスをコピーした。みんなでね(ポール・マッカートニー)」

 

(引用元 : クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために)

 

「優れた者は、迷わず「真似る」。
それが一番の近道だと知っているんだ。
しかし次に、そこで終わるか終わらないかは、「盗めるか」にかかっている。
やりかたを真似たら、それを自分のものにする。
それが「盗む」とゆう事だ。
自分のものにしてしまえば、盗んだものはさらに研磨される。
それは決して、「真似て」いるだけでは起こらない現象だ。」

スティーブ・ジョブズがパブロ・ピカソの発言を引用した言葉

 

(引用元 : Web Magazine – Sircus「サーカス」)

自分のお気に入りは、デヴィッド・ボウイの一節です。
「盗む」と言っても、その意味をはき違えないようにしなくてはなりません。
みんなそれぞれ色々な人の作品に影響されています。

B’zは〇〇のパクリだ、とか、One OK Rockは〇〇のパクリだとか、言う人がいますが、そういう観点でしか物を見れない人は、「創作活動を全く行ったことが無い人」か、ダリの言っている通り「何も作れない人間」だと思います。
「〇〇は〇〇のパクリだよね」ってのは、自身の見る目の無さを露呈してるとしか思えません。
上手く盗んで、自分なりに昇華させているかは見たらわかると思いますし、単純に「パクった」と言うのは、自分の世界観に落とし込めていないもののことを指すと思います。

自分の物の中に上手く引きずり込んでしまっていれば、「影響を受けた」という表現でしっくりきます。

自分の絵も、真似されることで真似する価値のある絵と他の人に思ってもらえていると、嬉しくなるので歓迎なのですが、前述したとおり「完全コピー」はやめていただきたいなーと思うところであります。

 

 

 

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