革に絵を描く方法<バーニングレザーアート>

革に絵を描く

この記事では「革に絵を描く方法」と革に絵を描くための道具、注意点などをご説明します。

革製品に絵柄をつける方法はいくつかありますが、今回ご紹介するのは「熱で皮の表面を焦がして描く」という方法です。

革に絵を描いている制作風景

私は仕事で植物柄を描くことが多いのですが、媒体は紙に限らず革製品などに描いたりもしています。その時に使っている道具と絵を描く方法の紹介がメインとなります。

下の動画が私の制作風景ですので、宜しければご覧ください。

革のハンドメイドパスケース(定期入れ)に絵を描く

今回は古くからの友人の依頼で、オーダーメイドで革の定期入れ(パスケース)をハンドメイドで作ることになり、デザインはお任せで絵を入れて欲しいとの事だったので、絵を考えながらまずは革のパスケース作りから開始しました。

(※制作工程も念のため記載しますが、革に絵を描く道具と注意点だけを知りたい方は読み飛ばして下さい。)

革のパスケース

とりあえずこんな感じで型紙におこしてからパスケースの形にしました。完成品の出来次第でどっちを渡してもいいように2つ作成(本命は手前の赤っぽい革)

貼り合わせた革の内側には、SuicaやPasmoが出し入れしやすいようにサテン生地を合わせました。ヒシメ打ちして縫い合わせていきます。

革のパスケース

手縫いは一目一目ちゃんと糸の上下があべこべにならないように気を付けながら作業していきます。時間を忘れて作業に没頭。

革に絵を描く道具は「ハッコーマイペン(HAKKO my pen)」がおすすめ!

革のパスケース

絵を描くためのパスケースが完成したので、ハッコ―マイペン(HAKKO my pen)で革を焦がして描いていきます。ここからが本領発揮!!!

以前も革に絵を描いた時も使っています
>>>電気ペンで革に絵を描いてみよう!おすすめの電気ペンと作品例を紹介 

革のパスケース

電気ペン(ハッコーマイペン)とは?

電気ペンは、コンセントに刺して通電することでペン先に熱を持たせる工具です。

形状は「はんだごて」に似ていますが、ペンのように描くことが出来るように先端の金属部分が短くなっており、持ち手も熱くなりにくくなっています。

私が初めて購入したのは「ハッコーマイペン」という商品で、上でご紹介した「ハッコーマイペンα」よりも機能が一段回少ない安価バージョンです。

こちらは、ハッコーマイペンαの6~7割程度の価格なのですが、温度調節ができないのが難点で、そののちにハッコーマイペンαの購入を検討することになりました。

革に描くだけの場合は、下の「ハッコーマイペン」でもいいかもしれませんが、木材などに描きたい場合や、温度調節によって焦がす濃さを変えて濃淡を表現したい場合は、温度調節機能の付いている「ハッコーマイペンα」の方が良いでしょう。

電気ペンで革に絵を描くときの注意点

1.革の素材は電気ペンが使用可能な物かを確かめる

革細工をする前に、選んだ革に電気ペンでどのように線が描けるか、同じ素材の端切れなどに必ず試し描きをしましょう。

「縫い合わせてせっかく作ったのに、いざ描いてみたらオイルがしっかりしみこんだ革で、全然線が描けなかった」なんてことは避けたいので、電気ペンで描くことが前提の場合、革の素材にも注意を払いましょう。

表面にナイロン加工がされているような合成革オイル加工がしっかりされた革などは、焦げにくくて線がしっかりつかなかったリ、焦がした時に悪臭を発するものもあるので注意が必要です。

一方で、ヌメ革のようにタンニンで鞣しただけの染色や塗装がされていない革はしっかりと線が付きやすいです。

2.革に絵を描くタイミングを前もって考える

今回はパスケースで比較的平らで小柄なので大丈夫ですが、物によっては縫い合わせる前に描いた方がいい場合があります

バッグなど立体的な物にする場合や、ピアスなど皮をカットした後にすごく小さくなる場合などがそうでしょう。

絵を描くときに革を押さえつけて描くため、絵を描く面積が狭かったり持ちにくかったりすると、抑えている手を火傷しやすいので描きやすい状態で描きましょう。

3.既製品に絵を描くのは難しい?

①と関連しているのですが、既製品のパスケースや財布などはしっかりとオイルで革を保護してあることがほとんどです。

私は、友人に「自分の財布に描いて」とお願いされることがあるのですが、革と言っても合成の革で電気ペンを使うと焦げずに溶けてしまうような物や、すごくいい革なのですがオイルがしっかりしみこんでおり、焦げ目どころか傷がつく程度のものが多いです。

「ヌメ革」は電気ペンで絵を描きやすいことは前述しましたが、焦げやすい分、力加減とペン先の温度の調節が難しく、力を入れすぎるとあっという間に焦げすぎて黒くなってしまったりするので若干の技術が必要です。

ヌメ革の既製品に絵を描くときは、同じ素材の端切れを用意して書き味と力の入れ具合でどの程度焦げるのかを確認するようにしましょう

4.換気を十分にして、マスクも着用しよう

使用する革の種類によっては、焦がした時にガスや悪臭を発するものがあります。

有害ではなくても、動物性の皮を焦がすのでやはりそれなりの臭いがしますので、電気ペンを使う際は必ず喚起できるような部屋で使うようにしましょう。

自分が好んで使う革は、ある程度染色が施してあり、オイルがあまり乗りすぎていないものです。というのも、ヌメ革は前述したとおり、失敗を隠しにくいほど良く焦げます(濃淡がつけやすい)。オイルがのっているぶん独特なにおいがしますが、書き味重視であまり気にせず作業をしています。

※ただ、動画でご紹介した革はちょっと線が見えにくいタイプの革でした。動画に載せるにしては線が薄くてパッとしませんでしたね。

まとめ

絵を描く道具や素材が変わると、その素材のことをよりよく知ることで自分の本来の絵が描けてきますし、もしかしたら紙に描くよりもいいものが出来るかもしれません。

僕にとっては、焦がしながら描く線は滑りやすい紙に比べて綺麗な曲線が描けます。
「押しながら描く」というのは厚みのある革ならではなので、是非お試しください。

最後にもう一度、僕が使ってるHAKKO MY PENをご紹介します。

今回の完成品はこちらです ↓

革のパスケース
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